ETVが狙う二重のターゲット日本コロムビア COCX-31348 2001.04.21発売 NHK教育で放送中の「なんでもQ」は、いわば「ウゴウゴ・ルーガ」の正統な嫡子であるといえる。番組は動物や昆虫に関するクイズを中心に展開されるが(ここでIQエンジンを想像した読者はおそらく正しい)、途中でやはり動物・昆虫に因んだオリジナル・ミュージック・クリップが挿入される。当CDはそのオリジナル曲を集めたものだ。 なんでもQといえば、まず思い浮かぶのは「フンコロガシ」とか、「イカスミダ、タコスミダ」(いずれも「歌のアルバム大全集」に収録)のような「ぶっとび」な曲。しかし、最近の曲作りはもっと技巧的で高予算だ。生楽器をふんだんに用い、実力派の歌手がバンバン歌う。その創作姿勢は、むしろジャズのそれに近いかもしれない。 いくつかの曲は'70-'80年代のポップスに、その源泉を求めている。「カニクイザルのゆううつ」はビートルズ・サウンドだし、「カレイなるヒラメ」は「'80年代のニューウェーブ」。これはハッチポッチ・ステーションと同様に、親子の双方にアピールするための作戦だろう。 「カンガルー・ジャンプ」は小林優美のヴォーカルが素晴らしい。「ロバにのっていこう」には「おどろんぱ」からアリシオンが友情出演。歌詞も泣かせる。「へ、へ、へ、へっぴりむし」は久々のうんち系。フランス人(?)パトリック・ヌジェの妖しい日本語が照れを感じさせなくて良い。 |