屋久島に関する局地的考察'98

[98/10/15] 屋久島の風景を追加。

屋久島は鹿児島湾の南側に位置する小さな島で、水と焼酎のうまいところである。屋久島について一般的な情報が必要な人は次を参照。

屋久島への交通機関

鹿児島港からフェリーと高速艇が運行されている。また、鹿児島空港からはJACのYS-11が飛んでいる。

YS-11

YS-11は最初で最後の国産旅客機であるらしい。国内の幹線ではほとんど引退したが、ジェット機が飛べない地方空港では未だに現役である。機種から伸びるケーブルはなぜか軽トラックに接続されている。最初はこれで滑走路まで牽引するのかと思ったが、後日調べてみるとどうも駐機中の電源を供給しているようである。写真は屋久島空港にて。

屋久島の自然

理性なし人間屋久島は高低差の激しい地形のため、その自然も変化に富んでいる。

基本的に屋久島は亜熱帯の気候にあり、海岸付近では本土と同じような落葉広葉樹が多い。高度1000メートル付近からは鬱蒼とした杉の密林となり、山頂2000メートル付近では、今度は強風のためササしか生えない。このへんはうろ覚えなので、間違っていたらごめん。

このような大自然の中にあって、人間の存在は実に矮小なものであり、その理性たるや、まさに風前の灯火であるといわざるをえない。写真は白谷雲水峡にて発見された、理性なし人間。頭の手ぬぐいは般若心経。

屋久島の滝

屋久島には滝が多い。そのため、いろいろなタイプの滝を楽しむことができる。ただし、楽に行ける滝ばかりとは限らない。

滝1

大河の滝で滝壷に向かって突進する高橋(仮名)。本人は必死で進んでいるつもりなのだが、水の勢いが強くてぜんぜん進めない。望遠レンズを持って行かなかったのが悔やまれる。写真左下はかろうじて写っている頭の部分の拡大。これはデジカメで撮影。

滝2

適度な疲労を楽しむ高橋(仮名)。これもデジカメで撮影。ちなみにこの滝、水量が非常に多いことで有名である。昨年訪れたときにはこの倍近くあった気がする。さすがに下品な感じがして、憤慨した記憶がある。

屋久島の温泉

屋久島は(たぶん)霧島火山帯の上に位置し、温泉が結構多い。

尾之間(おのあいだ)温泉尾之間温泉

尾之間歩道の入り口に隣接する温泉で、山の疲れを落とすには最高のロケーションにある(尾之間歩道自体はあまりお勧めの登山道とはいえないが)。入浴料は1人200円。中が狭いので、大きな荷物はできる限り外へ。

湯は僅かに硫黄分を含む。湯温は結構高いので、リュックで擦れた肩にはちとしみるかも。入浴客は比較的多いが、基本的に地元の人ばかりである。確かに観光客が似合わない風情である。[由来に関して]

楠川温泉

島の外周道路を走っていると、楠川付近に「楠川温泉→」という小さな看板が出ている。これが唯一の目印である。どうせ1回では見つからないから、じっくり探そう。

ここも小さな公衆浴場だが、尾之間よりもさらに小さく、地元志向である。風呂上がりには座敷で茶を飲みながら談笑するシステム。愛媛の道後温泉に近いといえば納得してもらえるだろうか。

平内海中温泉平内海中温泉

島のほぼ最南端にあり、文字どおり磯場に湧く温泉。あくまでも地元の人のものであり、観光客が軽々しく水着で入ったりするものではない。常識的に判断して、女性はあきらめた方が無難。入浴料は100円。

もし無礼な観光客が土足で立ち入ったり、水着のまま入浴したりすると、おやじが現れて不届き者を海に沈めてしまう。礼儀を守って正しく入る場合、おやじの身の上話が聞けるかもしれない。

屋久島の食

焼酎

屋久島は芋焼酎の文化圏に属し、少なくとも2つの蔵元が島内に存在する。うち本坊酒造の蔵元は、屋久酔館として一般に公開されており、随時見学を受け付けている。場所は安房。ここでは焼酎作りに関する蘊蓄を思う存分味わうことができ、のんべえにはたまらねぇ。お勧めは原酒屋久杉。

もっとも、屋久島で焼酎といえば「三岳」。安くてうまい。やっぱり水が良いと、なんでもうまい。

お好み焼き風ピラフお好み焼き風ピラフ

宮野浦付近の「花の江」のオリジナルメニュー。つまり、わかりやすく言えば、お好み焼き味のピラフなのだが、決して焼き飯ではないし、ピラフにお好み焼きを混ぜたものでもないし、結局何なんだか良く分からなかった。

見た目のグロテスクさとは違い、味は美味。与論のハンバーグ丼以来のヒットであることは間違いない。ユースホステルの連絡ノートなんてものにも、まれに有用な情報が含まれていることの証明となった。

トビウオ

最近トビウオが飛ぶところを間近に見る機会があって、まさに目から鱗が落ちる思いであった。水面から突然現れたかと思うと、すーっと空中を滑るように飛んで、また水中に突然潜ってしまうのである。でも彼らは一体何のためにそんなことをしているのだろう???

そんなトビウオ君たちも、から揚げにされるともはや天つゆを待つだけである。また屋久島では、すり身にしてから天ぷらにすることが多い。

屋久島は水の島だ。島のいたるところで雨が降り、森に濾過されて、またいたるところに湧き上がる。

だから屋久島ではいたるところで水がうまい。ちなみに大阪では、うまい水は2リットルで180円くらいか。


[歪曲劇場]

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