歪曲劇場

「具体」回顧展 / 兵庫県立美術館

子供の頃読んだ「小学○年生」には、時々、未来都市の想像図とか、そういった類いの記事があって、将来への夢を膨らませてくれた。科学の進歩、あるいは人類の進歩は、既定の事実であるかのように約束されていた。

「具体」の成果を見ながら思い出していたのは、そんなことだった。昭和30年代から40年代にかけて活躍した彼らは、間違いなく高度成長の申し子である。彼らの作品は能天気なまでに伸びやかで奔放だ。

人類の進歩なんて眉唾だと人々が気付き始めた今、この回顧展が開かれたのは偶然ではない。たぶん僕たちはようやく、高度成長からバブル崩壊に至る不可解なお祭り騒ぎの顛末を、冷静に見つめ直す時期に差しかかりつつある。

油断すると「昔は良かった」という気持ちに引きずられそうな本展覧会、気を引き締めて観るべし。

posted at 20:36:26 on 2004-02-12 by ichiro - Category: 美術

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