歪曲劇場

華氏911

仮にその政治的意図については問わないとしても、この映像は相当にcool。なお、文字通り悪夢のように繰り返された「あの映像」は、ただのひとコマも使われていない。

ブッシュファミリー、サウジのオイルマネー、アメリカの軍需産業は三位一体的に結びついており、911からイラク侵攻(そして莫大な復興需要)の全てが茶番だったというのが、このドキュメンタリーの(やや極端な)解釈といえよう。それはある意味、素人目にも明らかであった(景気と人気の回復を目論む統治者が戦争を望むのは、歴史に裏付けられた一般原則である)。それでも多くの人がアメリカの軍事行動を肯定(少なくとも非-否定)してしまったのは、一体何故なのか。

もちろんマイケル・ムーアはその技術的トリックについても鮮やかに種明かしをしてしまうのだけれど、結局のところ、ジョージ・オーウェルの言を引いて、「特権階級を存続させるのは大衆の無知である」のだという(引用は記憶に依るので違っているかも)。

観終わった後、アメリカ社会のあまりのダメっぷりに頭痛を感じたとしても止むを得ないが、少なくとも彼の国には、まともなジャーナリズムが存在しているようだ。その点相当羨ましい。

posted at 22:42:28 on 2004-08-23 by ichiro - Category: 映像

Comments

No comments yet

Add Comments

このアイテムは閲覧専用です。コメントの投稿、投票はできません。