歪曲劇場

さよなら、スナフキン / 山崎マキコ

(Book Photo)
というわけで、山崎マキコの前著。

「健康」「続・健康」を読み返してみたくて、いろいろ探していたのだけれど、もうどうでもいいです。お腹いっぱいということもあるし、読まないことがリスペクトになるのかなあ、と、思ってみたり。

ま、とにかく、あからさまに、「健康」「続・健康」を裏からなぞっていく話。ところが、フィクションを語る実話というのは、どこまでが本当なんだろうという下心が先に立って、逆に全部が嘘臭く思えてきたりする(まるで「一杯のかけそば」みたいに)。あるいは全部が本当だとしても、それはそれで救いがないというか、受け入れるのにちょっと覚悟が必要だったりする(心は虚構に守られていなければならない)。

しかしまあ、だからといって「誰にでも書ける」とは言うまい。少なくとも誰にでも上手に書けるわけではないし、山崎は間違いなく読ませることが巧い。それに、既にレビューした新刊「声だけが耳に残る」は、ずっとリアリティーを増している。だからこれまでの本は棚卸しみたいなもので、これからはもっといろんなやり方で読者を傷つけてくれるんじゃないかと、期待している。

ちなみに、帯には「愛されることに不器用なあなたに贈る、切ないラブストーリー」とある。それはちょっと違うかもしれない。

posted at 00:25:32 on 2004-04-17 by ichiro - Category:

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