歪曲劇場

GUNSLINGER GIRL

美少女がたくさん出てきて鉄砲を撃ちまくるアニメです、と言うと、ずいぶん批判的に聞こえると思う。確かに、美少女がたくさん出てきて鉄砲を撃ちまくるようなアニメで、かつ他人に勧められる品質である可能性は、極めて低い。というか、そういうのは個人的な嗜好の範囲内で楽しむべきもので、それ以上の意味なんてない。

というわけで、この作品もあくまで個人的な嗜好の問題として観たのだけれど、実は、意外に良く出来ているという感想を持った。

というのも、たぶんこの物語の重点は「戦う少女」そのものではなくて、それを取り巻く状況であるとか、周囲の人物との関係性(すなわち、ドラマツルギー)にあるように思えたからだ。アニメ作品の中には、少女が登場することが(手段でなく)目的であるものも多く存在するが、この物語は仮に主人公が少女でなかったとしても成立するだろう。

また、銃もて戦う純粋無垢な美少女というベタな設定の不合理さを、それ自体として物語に取り込んだ点がうまく作用している。安易な感情移入を拒絶することで、物語はその悲劇性を際立たせるのである。

アニメにおける少女というのは、結局のところある種の嗜好を表現するための記号に過ぎない。それにはそれで娯楽としての意味があるし、そのような送り手と受け手の間の共生関係がジャパニメーションを経済的に支えてきた。とはいえ、そのような枠を乗り越えていく努力は、やはり評価されるべきである。

posted at 22:49:00 on 2004-02-29 by ichiro - Category: 映像

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